「おお〜・・・なんかいい雰囲気になってますよ! 大佐♪」
「いやはや青春してますねぇ〜♪」
雑草の陰からルークとティアを見て、ぼそぼそと言い合うアニスとジェイド。
「それにしても何で私たちがこんなこそこそとしなければなりませんの?」
「堂々と行ったらあの二人の邪魔になっちゃうし〜・・・・・・こうやって草陰から見てたほうがおもしろいじゃん♪」
「ですよね〜・・・若い二人の邪魔を私たちがしちゃいけません♪」
不満をもらすナタリアをからかうと言うよりなだめる様にアニスとジェイドが言う。


「・・・・・・はははは・・・」
そんな三人を横目で苦笑しながらため息をつくのは、ガイ。
よくやるよと想いながらも口にはしないガイであったが。


「大佐! ティアが胸に顔をうずくめましたよ!!」
「ここは是非ともルークに男を見せてもらいたいものですね♪」
「まあ、はしたない」
うんざりした様にナタリアが言うが二人はどこ吹く風。


「ったく。バカやってるよ。俺は先に戻ってるよ」
「ガイ―――・・・っ! 私たちもやろ―――・・・!」
立ち上がり、背を向けたガイであるがアニスの声に一瞬止まる。
振り向いた時にアニスは勢い余ったという感じでふわりと跳んだ。
「お・・・・・・っと」
そんなアニスを抱きとめるガイ。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
時間さえもが戸惑い、息を潜めるかのような一瞬。



「おわああああああ!!!」



森中にガイの悲鳴が響き渡った。
ルークの胸に顔をうずくめていたティアが顔を上げ、ルークもきょろきょろと周囲を見渡す。


「ガイ? 何やってるんだ?」
草陰を覗き込んだルークに声をかけられる。
「何をやってるんですか!!? ガイ! 覗きなんてよくありませんよ!」
「そうだよ〜・・・ガイ!」
「何をやってるんですの!?」
「って!! 全部俺のせいかよ!!」
喚くガイであったがジェイドとアニスは知らん振りを決め込んでいる。



「ま、まさか・・・・・・見てたの!?」
「まあ、い、一応・・・最初から」
かあっと顔を仄かに赤めるティアであった。
やや早足にティアが歩き始める。
「な、何やってるの!? 早く行きましょう!!」
「何怒ってるんだよ。訳わかんねぇーっつうの」
ぶつくさとぼやきながらもルークがティアの後を追いかける。


「ふう・・・やれやれ」
ジェイドが肩をすくめる。
「こっちも先が長そうですねえ・・・」
「ホントですね―――」
うんうんと頷きながらアニスが同意する。










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